「読みたいことを、書けばいい。」を完読したので、感想などを綴っていきます。
個人的には、ライター初心者の方、最近壁にぶち当たっている方におすすめの1冊です。
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目次
「読みたいことを、書けばいい。」を読もうと思ったキッカケ
著者は田中泰延氏で、元コピーライターのフリーランスライターです。
累計330万PVを記録する「街角のクリエイティブ」、「ひろのぶ雑記」などのライターとしても知られています。
私自身、そもそも本に親しんでいる人間ではないのですが、これじゃいかんと思い勉強になりそうな本を探していました。
そんな時に惹かれたのが田中さんの「読みたいことを、書けばいい。」。
よくライターの基礎知識として「自分が書きたい(読みたい)ことだけ書いてちゃダメ!」と耳にすると思います。
私もそう思っていました。
本書はそれを覆すようなタイトルであり、堅苦しい概念も打ち破ってくれる内容です。
「読みたいことを、書けばいい。」を読んでの新発見
自分が気持ちよくなるための記事なんて、誰かにとっての価値にはならない。
そう思っている人は、私を含め多いと思います。
(ごく稀にそういったコンテンツがヒットするケースもありますが、天才とかの域の人のみだと思います。EVAの庵野さんとか)
しかしこの本では、まず自分が面白いと感じなければ、他の人だってそう感じてくれない、と説かれているのです。
記事の最初の読者は間違いなく自分なのだから、その読者の感動がなければ意味がない。
これには私も新しい感覚をいただきましたし、同時に安心したというか、自分の考えを信じていいんだとも思わせてくれました。
もちろん自分の考えを信じる=成功する、という訳ではありません。
信じたものを貫いてどんな結果になるかはわかりませんが、それも含めて糧になるだろうと思います。
「読みたいことを、書けばいい。」を読んでの共感点
偉そうに聞こえるかもしれませんが、共感できる点がいくつかありました。
執筆のテーマに対して9割以上調べることがライターの仕事、と記されていますが、私もそうだと思います。
Wikiの情報を拝借しただけとかは論外です。
また、そのテーマに対して全く興味がなくても、最低限の敬意をもち、愛すべきポイントを見つけることで、面白い文章が生まれる、と。
私は他にゲームブログを運営していますが、基本的に書く作品(ゲーム)に対して最低限のリスペクトがないと、響く記事は書けないと考えています。
昨今はゲームの量も増え、ユーザーの目も肥え、非常に辛辣な声が多いと感じるのですが、1つのゲームを作るのにどれだけの時間やパワーが割かれているかを考えると、まずはそこに敬意を持ってプレイすべきです。
その上で、どうしてもアカンと感じた部分にはそういった評価が出て然るべきでしょう(私も「おいふざけんな」と思うことはよくありますし)。
クズだゴミだというのは簡単ですが、前提として作り手や作品に敬意を払うことも忘れないようにしています。
ライティングの基礎も学べます
この本は文章術の本じゃないよ〜と何度も解説されています。
が、読んでみるとわかりますが、ライターとして身につけておきたい基本の技術も丁寧に書かれています。
上述した(一次資料から)調べるということ、どう調べるのか、無駄を省く、などがその一例です。
さて、ライティングの基本として、無駄な部分を省く、というのは当然です。
できるだけ削って本当に伝えたい部分だけに絞る、これは本書でも触れられています。
一方で、この本では作者の遊び心が随所に散りばめられており、時には脱線してまで笑いを取りに行こうという姿勢が見えるのです。
作者のオリジナルとんでも仮説とか、よく出てきます。
本来、文章としては無駄な部分(省く部分)をよーく入れているんですよね。
削れと言いつつも全体にわたって脱線語りが多い、これはもうわざととしか思えません。
このユーモラスな部分が、人によっては読んでいて鼻に付くのかなぁとは感じました。
読んでいて面白いのは確かですし、個人的には嫌悪感はなく、楽しく読ませていただきましたね。
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言い回しや運び方が上手で参考になる
さすが元コピーライターだと思いました。
文章運びやリズムが良くて、普段本に親しんでいない私でもスルスルと完読できました。
笑いがある点と、文字が大きいというのも助かった点。
あまり本慣れしていない方にもおすすめできます。
後半の後半はほとんど笑い点がなくなるのですが、ここまできてちゃんとまじめな雰囲気にするのもズルいですね。
本当に伝えたいところにスッと落とし込んでくれる感があって、一気に読めました。
しかし最後の最後のオチはしっかりユーモアで締める、見せ方がうまいなぁと勉強になりました。
書くことが好きだったことを思い出させてくれる本
作者は本書の中で、文章を書くのは世界で一番イヤだと語っています。
でも、読み終えてわかるのは、やっぱりこの人書くことが好きなんだなぁ、ということです。
そこまで調べられ、敬意や愛情を向けられ、自分が面白がれる文章をかけるのって、もう好きの領域じゃないですか。
自分のために、書きたいことを、読みたいことを書けばいい、そうハッキリ断言できるなんて、好きという気持ちがないとできないことだと思います。
本を読み終えて、そんな気持ちをおすそ分けしてもらえたような、そんな気分になりました。
書くことをもっと好きになれそうな、そんな感情がフツフツ湧いてくるような。
何のために、何がしたくて、何になりたくてブログやツイッターを更新しているのかわからない。
そんな壁に当たったときに読んでもらいたい本です。
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出典:田中泰延(2019)「読みたいことを、書けばいい。」
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